九州・山口小児がん研究グループ 九州・山口小児がん研究グループ


治療実績・研究報告
■KYCCSGの業績

KYCCSGで行った治療研究の結果をもとに、これまでに発表された論文を以下の一覧にまとめました。英文の論文についてはその要旨も併記しています。

[英文論文]
  1. Matsuzaki A, Nagatoshi Y, Inada H, Nakayama H, Yanai F, Ayukawa H, Kawakami K, Moritake H, Suminoe A, Okamura J.
    Prognostic factors for relapsed childhood acute lymphocytic leukemia: Impact of allogeneic stem cell transplantation.
    A report from the Kyushu-Yamaguchi Children's Cancer Study Group. Pediatric Blood & Cancer, 2005 (in press)

    1984-96年に再発した急性リンパ性白血病 (ALL) 117例について再発後の治療成績を後方視的に解析した。再発後の再寛解導入率は77%。無病生存率は25.1%であった。再発時期(早期・中間期・晩期)、再発後の治療(化学療法単独か造血幹細胞移植か)が予後を規定する因子であった。


  2. Ishii E, Eguchi H, Matsuzaki A, Koga H, Yanai F, Kuroda H, Kawakami K, Ayukawa H, Akiyoshi K, Kamizono J, Tamai Y, Kinukawa N, Okamura J.
    Outcome of acute lymphoblastic leukemia in children with AL90 regimen. Impact of response to treatment and sex difference on prognostic factors. Med Pediatr Oncol 37:10-19, 2001

    1990-96年にAL90治療研究に従って治療を受けたALL 220例の解析。年齢、発症時の白血球数などに従い、低危険群(LR)、中等度危険群(IR)、高危険群(HR)の3群に分け、治療を層別化した。内訳はLR 91例、IR 71例、HR 58例であった。寛解導入率はLR/IRあわせて98%以上であった一方、HRでは88%に留まった。無病生存率は全体で67.4%、LR 70.4%、IR 71.7%、HR 57.5%であった。


  3. Matsuzaki A, Ishii E, Nagatoshi Y, Eguchi H, Koga H, Yanai F, Inada H, Nibu K, Tamai Y, Akiyoshi K, Nakayama H, Hara T, Take H, Miyazaki S, Okamura J.
    Long-term outcome of treatment with protocols AL841, AL851, ALHR88 In children with acute lymphoblastic leukemia:
    Results obtained by the Kyushu-Yamaguchi Children's Cancer Study group. Int J Hemat 73:369-377, 2001

    1984-90年に診断されたALL 187例に対して、長期の治療成績や晩期障害の検討を行った。全体の無病生存率は63.2±3.6%であった。再発は55例あり、うち17.4%がその後の治療で救命し得た。最終確認日の身長の標準偏差値は診断時と比べ有意に低下していた。その他に軽度の肝障害(18%)、C型肝炎(9%)、うっ血性心不全(2.9%)などの晩期合併症を認めた。


  4. Matsuzaki A, Eguchi H, Ikuno Y, Ayukawa H, Yanai F, Ishii E, Sugimoto T, Inada H, Anami K, Nibu K, Hara T, Miyazaki S, Okamura J.
    Treatment of childhood acute myelogenous leukemia with allogeneic and autologous stem cell transplatation during the first remission:
    A report from the Kyushu-Yamaguchi Children's Cancer Study Group in Japan. Pediatr Hematol Oncol. 17: 623-634, 2000

    新規に診断された急性骨髄性白血病 (AML) 64例について、化学療法の成績と第1寛解期での骨髄移植の有効性を検証した。寛解導入率は92.2%、5年無病生存率は53.3±6.4%であった。HLA一致同胞が得られた24症例("allo group")は第1寛解期での血縁者間骨髄移植を施行した。HLA一致同胞がいない40症例("non-allo group")では自家末梢血幹細胞移植か自家骨髄移植を選択した。"allo group"の5年無病生存率は70.8±9.3%、"non-allo group"は43.0±8.1%であり、HLA一致同胞間骨髄移植が自家移植に比べて優れた成績を示した。


  5. Matsuzaki A, Okamura J, Ishii E, Ikuno Y, Koga H, Eguchi H, Yanai F, Inada H, Nibu K, Hara T, Take H, Miyazaki S, Tasaka H.
    Treatment of standard-risk leukemia in children:
    The results of protocol AL841 from the Kyushu-Yamaguchi Children's Cancer Study Group in Japan. Pediatr Hematol Oncol 16:187-199, 1999

    62例のALL標準リスク群に対する化学療法の成績を報告した。維持療法では週1回のL-asparaginase (L-asp) 投与群と非投与群とに無作為割付を行った。寛解導入率は98.4%、寛解を得られた61例中11例が再発した。診断10年後の無病生存率は80.6±5.0%であった。L-asp投与群と非投与群の生存率には統計学的に有意な差を認めなかった。


  6. Matsuzaki A, Ishii E, Okamura J, Eguchi H, Yoshida N,Yanai F,Inoue T, Miyake K, Ishihara T,Tsuboi C, Nibu K, Ueda K,Take H, Miyazaki F, Tasaka H.
    Treatment of high risk acute lymphoblastic leukemia in children using the AL851 and HR88 protocols:
    A report from the Kyushu-Yamaguchi Chilren's Cancer Study Group in Japan. Med Ped Oncol 26:10-19, 1996

    ALL高リスク群125例に対する化学療法、AL851プロトコール (1985-1988) と ALHR88プロトコール (1988-1990) の成績を報告した。寛解導入率はAL851で92.7%、ALHR88で97.1%であった。5年無病生存率はAL851で49.1%、ALHR88で62.5%であった。予後因子として、発症時白血球数(≧5 x 109/l)、FAB分類(L2)、染色体異常、day14に骨髄に残存する芽球が多いことが挙げられた。


  7. Nibu K, Yanai F, Okamura J, Ikuno Y, Tasaka H, Matsuzaki A, Inada H, Eguchi H, Sakai R, Koga H. Miyazaki S, Nakayama S, Take H.
    An effective salvage regimen with aclarubicin for daunorubicin-resistant acute non-lymphocytic leukemia in children. Pediat Hemat Oncol 12: 251-258, 1994

    daunorubicin抵抗性の小児急性非リンパ性白血病(ANLL)に対するaclarubicinの有効性と毒性を検討した。評価可能な21例中14例で治療効果が認められた (12例が完全寛解、2例が部分寛解)。それまでに投与されたanthracyclin系薬剤の累積投与量は、治療効果には有意に影響しなかった。重篤な合併症は骨髄抑制で14例に感染症の合併を認め、うち3例が敗血症、出血で死亡した。非血液学的毒性には血尿、血清アミラーゼ上昇、悪心・嘔吐、血管炎があった。また1例に心機能異常を認めた。Aclarubicin は治療抵抗性の小児ANLLに対して有効であり、その毒性も許容される範囲のものであると考えた。
[和文論文]
  1. 生野茅子、岡村 純、石井榮一、原 寿郎、植田浩司、吉田信之、宮崎澄雄、丹生恵子、田坂英子
    小児B cell型 lymphoma / leukemiaの治療成績(第1報)
    日本小児科学会雑誌92:1562-1566, 1988


  2. 丹生恵子、柳井文男、菊池昌弘、石井榮一、植田浩司、財前喜雄、古賀広幸、宮崎澄雄、石原高信、武 弘道、江口春彦、村上龍夫、新 博行、生野茅子、岡村 純、田坂英子
    小児非ホジキンリンパ腫の治療成績-病理組織型と病期を考慮した治療法
    (NHL-858)の試み-
    日本小児血液学会雑誌7:187-193, 1993


  3. 松崎彰信、石井榮一、植田浩司、柳井文男、丹生恵子、武 弘道、古賀広幸、宮崎澄雄、井上敏郎、三宅和昭、石原高信、坪井千鶴、池田正人、生野茅子、岡村 純、田坂英子(九州山口小児がん研究グループ)
    小児急性リンパ性白血病ハイリスク群に対する治療プロトコールAL851の治療成績
    臨床血液25:862-870, 1994


  4. 生野茅子、岡村 純、石井榮一、松崎彰信、植田浩司、江口春彦、稲田浩子、丹生恵子、古賀広幸、宮崎澄雄、石原高信、阿南建一、田坂英子(九州山口小児がん研究グループ)
    小児非リンパ性白血病の治療成績 
    臨床血液36:325-333, 1995


  5. 古賀広幸、宮崎澄雄、石原高信、井上敏郎、武 弘道、石井榮一、松崎彰信、植田浩司、柳井文男、丹生恵子、三宅和昭、生野茅子、岡村 純、田坂英子
    小児急性リンパ性白血病における髄外再発予防法の検討
    臨床血液36:76-83, 1995


  6. 岡村 純、田坂英子(九州山口小児がん研究グループ)
    標準危険群ALLの治療成績と問題点
    日本小児血液学会雑誌10:161-168, 1996
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